平成22年 大学入試(センター試験)の分析とその対策
【全体分析】今年度のセンター試験は全国平均が文系6教科7科目で551点、理系5教科7科目で547点となった。全体で国語・数学ⅠA・物理Ⅰ・化学Ⅰが難化したため理系での平均点ダウンが見られた。昨年との比較では化学が15.75点、数学ⅠAで15点、物理で9.54点のダウンである。各科目間の平均点格差は世界史Bと地理Bで5.49点、生物Ⅰと化学Ⅰで15.91点、現代社会と倫理で9.9点であったが得点調整は行われなかった。
【教科・科目分析】
■国語(やや難化)新たな形式の出題(現代文・記号の表現効果と文章の構成を問う、漢文・比喩表現の対応関係を問う、漢詩・本文の主旨を問う)が出題。古文の文章難化。
■数学ⅠA(難化)
思考力を要する問題が多く時間がかかる。幾何の性質を多く取り扱う問題が出題。分野に偏らない勉強が必要。
■数学ⅡB(やや易化)
誘導が強い問題が多く素直に解ける。群数列が目新しい問題。
■英語・筆記(昨年並)
一文中の音の強弱を問う問題がなくなる。第5・6問は素材としてなじみにくく取り組みにくい問題。
■英語・リスニング(やや易化)
総語数は1078語と昨年並。読み上げられる速さが昨年よりやや遅くなり、表現の聞き取りに注意を要する設問が散見。取り組みやすかった。
■世界史B(平年並み)
近世・近代の割合が増加。東南アジア・朝鮮・アフリカなどの周辺地域を含めて出題。
■日本史B(やや易化)
政治を中心に出題。図版・史料・統計資料などの資料問題の分量増加。
■地理B(昨年並)
地図や資料の読解力を重視した出題。地理的技能が求められた。日本に関する問題の増加。
■現代社会(昨年並)
直面する諸課題を広範囲に出題。国際分野からの出題が増加。政治・経済分野では細かい知識を要求。統計資料では倫理的思考力を要求。
■物理Ⅰ(難化)
公式を用いるだけでは正答出来ない問題が多く、解答に時間を要する。電池の内部抵抗を求める問題が初めて出題。
■化学Ⅰ(難化)
昨年同様「物質と人間生活」から出題。構造決定に関する問題が3個出題。
■生物Ⅰ(易化)
問題分量が大幅に減少。教科書レベルの基本的な知識問題が増加。一部過去の問題と同内容の問題が出題。
■地学Ⅰ(易化)
基本知識を問う典型的な問題が多い。図・グラフを扱った問題が増加。
(育英塾 山口)